陶器、磁器といった材質の区別、さらに上絵付、下絵付といった絵付の方法の区別など…。 わたしたちの身の回りにあるたくさんのやきものもその製造方法により幾種類かのプロセスに分けることができます。ここで簡単に行程を追い、やきものがどのようにつくられるかを述べてみます。
 
   
 
     
    カオリン、長石、珪石、陶石といったやきものの原料やタルク石灰などの釉薬の原料が地元はもちろん日本中から集められます。また、ものによっては朝鮮、中国、インドから輸入される原料もあります。
       
     
    集められた原料は粉砕機でひとまず荒くだきの状態に。さらにこまかくくだき、豆粒大の原料も一昼夜かけてミクロン単位の極めて細かい粒子にします。
       
     
    微粒子となった原料土は各種調合され、水と混合。これを脱水機にかけ、さらに真空土練機にかけて空気を抜き、均一な杯土になるよう練り上げます。
       
     
    焼く直前の土、「杯土」を高速成形機にかけて皿や碗を製造。角形や楕円、袋ものなどの異形の器は形に応じて鋳込みなどの方法で成形します。
       
     
    素地がやきものの形にできあがるといよいよプロクターに入れ充分に乾燥。古くは天日を利用しましたが現在は熱風乾燥がほとんどです。
       
     
    乾燥が終わると800〜900度の素焼窯の中で約20時間。原料の土の乾燥強度を高め水分をとりのぞくと同時に可燃物を燃やす目的で行われます。
       
     
    素焼の次は下絵付の段階です。ハンドペイント、機会絵付、直接印刷、銅版転写など絵柄によってさまざまな方法で絵付が行われます。
       
     
    上絵付をするものは素焼の状態のまま旋釉して本焼成。下絵付のものはものにより素焼の工程をへて旋釉されることになります。
       
     
    旋釉された下絵付のやきもの、または白生地は1250〜1350度の温度で本焼。白い磁器は還元、アイボリーのものは酸化の方法で焼かれたものです。
       
     
    焼きあがった製品は上絵付、下絵付それぞれの規格で選別作業。ピンホールやキズ、鉄粉の有無など厳しくチェック。合格品は商品として出荷されます。